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月別アーカイブ: 2012年6月

摺り疋田の技

これに用いる型は三枚。
一見単純に見える絞り染の疋田の形ですが、
型職人によって、三枚を重ねて染めると
味わいのある出来上がりになるよう、細密に考えられて彫られています。
超ベテラン職人しかできない仕事です。

そして、染職人もまた同じ。
染料を刷毛に含ませる加減が難しく、泣かない(にじまない)ように
摺り込みながら模様を染め上げていきます。
細かい柄ですので、泣いてしまうと模様がつぶれてしまいます。
また、型紙は使っている間に伸び縮みしますので、霧を吹いたりして
型の調整をしないと三枚が綺麗に合わなくなります。
この染めのあと、よりはっきりした柄行きになるように縁の部分で
必要なところを筆で染め上げる、いわゆる「疋田つぶし」をします。

まさに、すばらしい長年の勘と技術の重なりあいですね。

この摺り疋田は、絞りとは異なった軽快な感じが好まれています。
ちなみに、写真のきものは、 ある有名な噺家さんのおきものになるそうです。

摺り疋田

 摺り疋田とは、鹿の子絞りのような模様を
   型を重ねて染め上げる技術です。
  今日はその染めの前の大切な準備。
 まずは、この摺り疋田を染めないところを
 新聞紙とテープですべて隠していきます。
 いやはや、これもなかなか手間のかかるお仕事です。
 この準備をすることで、よりスムーズに染めができるのです。
 さて、この続きは次回に・・・。
 

可愛いお弟子さん

 6日~8日は中学生のチャレンジ体験。
 職人さんの仕事の補助といっても限られたことしかできません。
 そこで、一人一人、一枚の額縁の絵を染めあげることにも挑戦です。

 お雛様の型を絵摺りし、配色を考え、糊を置き、作ってもらった染料
 でハケを使い、染めていきます。

 折角、頑張った作品ですが、どうしても職人さんのOKがでません。
 「吉江染工としては、これはアカン!」  がっくりした顔の中学生に、
 「すぐにできたら、わしらが困るわ~」 と、にんまり顔。

 自分の名前のイニシャルは自分で型を彫り染めました。
 蒸し・整理してできあがるのが楽しみです。

 きっと仕事の厳しさをちょっぴり体験できたことでしょう。
 師匠と弟子、おじいちゃんと孫、
 そんな温かくて楽しい三日間でした。

おまかせはドキドキ・わくわく

今日は、白生地からお選び頂き、ご希望の色に染め上げたお着物の納品日。それに合う、帯・帯揚げ・帯締めも一緒にお持ちしました。
お客さまの雰囲気に合う、素敵なコーディネートをめざします。
お任せは、責任重大ですが、素敵!と気に入って頂けて、嬉しさひとしおでした。
やったー!!